2013年1月22日

Michel Petrucciani「情熱のピアニズム」

今のWOWOWがスタートした頃。
Bモード放送という裏プログラムみたいなのがあって
そこで「St.GIGA」という映像なしの音楽番組をやっていました。
波の音や川のせせらぎといった自然音に混じってJazzやBrasil音楽が流れてくるという 私にとっては天国のような番組で、毎日聴いていました。

まだネットが普及する前のこと。「おー 今のは誰の音楽♪♪?」と思ったら電話で聞くと、担当の方がその時間に流れていた曲を調べて 教えてくれるのです。
かの Joao Gilbertoや、今日のタイトルにある Michel Petruccianiの名前に出会ったのも、たしかそのSt.GIGAの問い合わせ窓口でした。

このピアニストを聴いてみたいと友人に話すと、運良くペトルチアーニばかり8枚ほど ジャズ通の彼から借りて来てくれました。そして「一番気に入ったCDを一枚あげる」という有難いお言葉に甘え。。以来ずっと大切に聴いているのが この「Oracle's Destiny」(1982) です。

とびきり光を感じる 深い音の連なりに、
いつの間にか別世界へ連れて行かれます。
その頃はコンテンポラリー・ダンスをやっていたので、誰もいないダンス場でこのアルバムを流して、即興で踊ったりしていました。

CDに演奏者の写真はなく どんな人が弾いているかわかりませんでしたが、わたしはこのアルバムが大好きでした。
本当はミシェルの写真はジャケットの内側にあったのですが、何というか子どもが写っているような印象で、当時はそれがあの力強いピアノを弾くご本人とは思いませんでした。。
数年経って初めて彼のライブ映像を見た時には、力強いタッチから繰り出される色彩豊かな音に眩暈を覚え、さらに好きになったものです。

そんなミシェル・ペトルチアーニの
ドキュメンタリー映画が公開されています。
出不精なわたしが、もう2度 観に行ってしまいました。。
2月には、下高井戸シネマでも上映されます。

「情熱のピアニズム」

でも彼のことをこれから知る方には、
映画館に行く前に まずぜひ、
その音楽を先に聴いて欲しいのです。

Oracle's Destiny」から数えて15年後、亡くなる少し前にフランクフルトで収録されたライブ盤「Solo LIVE」(1997) は、瑞々しいオリジナル曲を中心に1曲ごとにイメージ満載で聞かせてくれ、彼の凄さがダイレクトに伝わってきます。

天賦の才と弛まぬ努力に加えて 当時の一流ミュージシャン達との共演で磨き上げた、彼だけの壮大なピアノ世界です。

内と外で、対照的な雰囲気ではありますが、
どちらも明るいパワーをもらえるアルバムなので、よかったら聴いてみてくださいね。
(追記: iTunes Storeで試聴できます)


最後に、前回お約束した蓼科(車山にて)の写真を。。
毎日寒いですが、どうぞお元気で!




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